IT職種の違いと選び方|未経験から目指せる5職種を年収・求人倍率で比較
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未経験から目指せるIT職でも、求人の多さは職種で20倍以上ちがいます。ハローワークの有効求人倍率は、Webエンジニアに近い「システムエンジニア(Webサービス開発)」が2.54倍、「Webデザイナー」は0.11倍です(厚生労働省 job tag、令和7年度)。
つまり、職種によって「会社に採用されて入る」のか「作品や実績を見せて選ばれる」のか、入り方そのものが変わります。この記事では5つの職種を、仕事の中身・数字・入り方の3つで比べ、自分に合う職種を選ぶ手順をまとめます。
5つの職種のざっくり比較
| 職種 | 主な仕事 | 向いている人 | 最初の学び方 |
|---|---|---|---|
| Webエンジニア | Webサイトやアプリを作る | 仕組みを理解するのが好き | HTML・CSS・JavaScript |
| インフラエンジニア | サーバーやネットワークを動かし続ける | 原因を切り分けるのが得意 | Linux・ネットワークの基礎 |
| 動画クリエイター | 動画の撮影・編集をする | タイミングや演出にこだわれる | 無料の編集ソフトで1本作る |
| Webデザイナー | Webサイトの見た目を設計する | 見た目の細かい違いに気づく | デザインツールで画面を模写 |
| Webマーケター | 集客や売上を伸ばす施策を考える | 数字を見て改善するのが好き | 自分のSNSで発信して検証 |
年収と求人の多さを、公的な統計で比べる
5つの職種に近い職業の数字を、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)から並べました。年収・年齢・1時間あたりの賃金は令和7年賃金構造基本統計調査、求人の月給と有効求人倍率は令和7年度のハローワーク求人の数字です。
| 職種(job tagの職業名) | 平均年収 | 平均年齢 | 1時間あたりの賃金 | 求人の月給 | 有効求人倍率 |
|---|---|---|---|---|---|
| Webエンジニア(システムエンジニア(Webサービス開発)) | 578.5万円 | 37.1歳 | 2,819円 | 36.4万円 | 2.54倍 |
| インフラエンジニア(システムエンジニア(基盤システム)) | 889万円 | 38.3歳 | 4,026円 | 35.3万円 | 2.24倍 |
| 動画クリエイター(動画制作(映像編集者)) | 583.3万円 | 41.7歳 | 2,876円 | 28.8万円 | 0.39倍 |
| Webデザイナー(Webデザイナー(Web制作会社)) | 539.6万円 | 39.1歳 | 2,614円 | 28.2万円 | 0.11倍 |
| Webマーケター(Webマーケティング(ネット広告・販売促進)) | 736.8万円 | 43歳 | 3,633円 | 27.3万円 | 0.47倍 |
数字を読むときの注意は3つです。
- 平均年収は、経験の長い人も含めた数字です。平均年齢は37〜43歳で、転職してすぐの収入の目安ではありません。入ってすぐの目安に近いのは、ハローワーク求人の月給のほうです
- 求人倍率はハローワークの求人だけの数字です。デザイン・動画・マーケティングは、民間の求人サイトや業務委託で仕事を探す人も多い分野です
- 有効求人倍率が1倍より大きいと「求職者1人に対して求人が1件より多い」、1倍より小さいと「求人より求職者が多い」状態です
いまの年収と比べたい場合は、IT職の年収くらべで計算できます。
入り方は「採用される型」と「選ばれる型」に分かれる
求人倍率で見ると、5つの職種ははっきり2つに分かれます。
| 型 | 職種 | 主な入口 | 応募の前に用意するもの |
|---|---|---|---|
| 採用される型(求人倍率2倍超) | Webエンジニア、インフラエンジニア | 未経験可の求人に応募し、会社で育ててもらう | 作ったものや学習の記録、基礎の資格。「何をどこまで自分でできるか」を示す |
| 選ばれる型(求人倍率0.5倍未満) | Webマーケター、動画クリエイター、Webデザイナー | 少ない求人の中で比べられる/業務委託で依頼を受ける | 作品集(ポートフォリオ)や、数字で示せる実績。「任せたらどうなるか」が見えるもの |
job tag には、この違いを裏づける数字も載っています。
- インフラエンジニアに近い「システムエンジニア(基盤システム)」では、**38.6%が入職前の実務経験は「特に必要ない」**と回答しています。未経験から会社に入って覚える道があります
- 「動画制作」で働く人は、自営・フリーランスが73.1%(複数回答)。会社に採用されるより、作品を見て依頼される働き方が中心です
採用される型でも、何も準備せずに応募してよいわけではありません。逆に、選ばれる型でも、作品と実績の準備が進めば入口はあります。「どちらの型の準備が自分に合うか」で考えると、職種を選びやすくなります。
Webエンジニア
ユーザーが使う画面(フロントエンド)や、裏側でデータを処理する仕組み(バックエンド)を作る仕事です。求人倍率は2.54倍と、5つの中で最も高い職種です。
- やりがい:自分の書いたコードがそのまま動く形になる
- 大変なこと:技術の移り変わりが速く、学び続ける必要がある
- 最初の一歩:簡単な計算ツールなど、小さなものを1つ作って公開する
なお、同じ作る仕事でも「プログラマー」の求人倍率は0.98倍です。学ぶ順番とポートフォリオの作り方は未経験からWebエンジニアになるには?で解説しています。
インフラエンジニア
Webサービスが止まらずに動き続けるよう、サーバーやネットワークを構築・運用する仕事です。目立ちにくいものの、どんなサービスにも欠かせない役割で、平均年収は889万円と5つの中で最も高くなっています。
- やりがい:大きなシステムを支えている実感がある
- 大変なこと:障害対応で夜間や休日に呼ばれる職場もある
- 最初の一歩:Linuxの基本コマンドやネットワークの仕組みを学ぶ
運用・管理(監視など)から入り、設計・構築へ進む流れが現実的です。資格の順番と費用はインフラエンジニアのロードマップ、大変さはインフラエンジニアは未経験だときつい?にまとめています。
動画クリエイター
YouTubeやSNS向けの動画、企業のPR動画などを編集する仕事です。ショート動画の広がりで編集の仕事は身近になりましたが、求人倍率は0.39倍で、フリーランスで受注する人が多い分野です。
- やりがい:作品として成果がわかりやすい
- 大変なこと:作業時間が長くなりやすく、納期に追われることもある
- 最初の一歩:無料の編集ソフトで1分以内の動画を作る
始め方と作品集の作り方は動画編集を独学で始めるロードマップで解説しています。
Webデザイナー
Webサイトやアプリの画面を、見やすく使いやすい形に設計する仕事です。見た目の美しさだけでなく、「迷わず目的の場所にたどり着けるか」まで考えます。求人倍率は0.11倍と最も低く、デザインに「+α」(コーディング・マーケティングなど)を組み合わせて入口を広げる人もいます。
- やりがい:自分のデザインが多くの人の目に触れる
- 大変なこと:好みではなく、根拠を持って説明する力が求められる
- 最初の一歩:好きなサイトをデザインツールで模写する
練習方法は未経験からWebデザイナーになるには?にまとめています。
Webマーケター
SNS、広告、検索などを使って、商品やサービスを知ってもらい、売上につなげる仕事です。平均年齢は43歳と5つの中で最も高い職種です。文章やデザインなど、近い経験がある人はそれを入口にできます。
- やりがい:施策の結果が数字ではっきり出る
- 大変なこと:成果が出ないときのプレッシャーが大きい
- 最初の一歩:自分のSNSで発信し、反応を数字で振り返る
実績の作り方は未経験からWebマーケターになるには?で紹介しています。
向いている職種を選ぶチェック表
年収や人気よりも、**「どんな作業なら長く続けられるか」**で選ぶのがおすすめです。未経験からの転職では、最初の1〜2年はとにかく手を動かして経験を積む期間になるからです。当てはまるものが多い行の職種から試してみてください。
| こんなとき、苦にならない | 候補になる職種 |
|---|---|
| 動かないプログラムの原因を、何時間でも調べられる | Webエンジニア |
| 決まった手順を正確に守り、異常に早く気づける | インフラエンジニア |
| 動画のテンポや音のタイミングが気になって、直したくなる | 動画クリエイター |
| 文字の大きさや余白のわずかなズレに気づく | Webデザイナー |
| 投稿や記事の反応を数字で比べて、次の手を考えるのが楽しい | Webマーケター |
| まずは会社で育ててもらいたい(採用される型) | Webエンジニア、インフラエンジニア |
| 作品や実績を積み上げ、いずれは個人でも受けたい(選ばれる型) | 動画クリエイター、Webデザイナー、Webマーケター |
どれが自分に合うかわからない場合は、12問に答えるだけのIT職タイプ診断を試してみてください。5つの職種との相性を%で表示します。
決める前に「3か月だけ試す」
職種は、考えるだけでは決めきれません。お金をかける前に、無料の教材や道具で3か月だけ手を動かしてみると、続くかどうかがわかります。
| 職種 | 最初の1か月 | 3か月後にできていたい成果物 |
|---|---|---|
| Webエンジニア | HTMLとCSSで自己紹介ページを1枚作る | 入力した数字を計算するツールを公開し、URLを人に送れる |
| インフラエンジニア | Linuxの基本コマンドと、IPアドレス・DNSの役割を学ぶ | 仮想環境にWebサーバーを立て、手順書をまとめる |
| 動画クリエイター | 自分の素材で1分以内の動画を1本作る | 「だれに・何を」を決めた動画を3本作り、工夫した点を書ける |
| Webデザイナー | 好きなサイトの画面を1枚そっくりに模写する | 架空のサイトを3〜5画面デザインし、選んだ理由を説明できる |
| Webマーケター | ブログかSNSを始め、解析ツールで数字を見られるようにする | 投稿や記事を変える前と後の数字を比べた記録を残す |
3か月続いて、もっと深く学びたくなったら、その職種が候補です。資格で基礎を固めたい人はITパスポートは意味ない?とITパスポートの勉強スケジュール、スクールを考える人は受講料を何か月で取り戻せるかをスクール代の回収期間の計算で先に確かめておくと安心です。
まとめ
- 未経験から目指せるIT職でも、求人倍率はWebエンジニアに近い職業の2.54倍から、Webデザイナーの0.11倍まで大きくちがう
- 求人が多いWebエンジニア・インフラエンジニアは「採用される型」、求人が少ない動画・デザイン・マーケティングは「作品や実績で選ばれる型」
- 平均年収は経験の長い人を含む数字。入ってすぐの目安は求人の月給(27.3万〜36.4万円)で考える
- 迷ったら「続けられる作業」で選び、3か月だけ試してから決める
自分に向く職種の当たりをつけたい人は、IT職タイプ診断(12問・無料)から始めてみてください。AIが広がる中での考え方はAI時代に未経験からIT職はもう遅い?でまとめています。
参考:厚生労働省 職業情報提供サイト(job tag)システムエンジニア(Webサービス開発)/プログラマー/Webデザイナー(Web制作会社)/Webマーケティング(ネット広告・販売促進)(2026年10月8日確認)、システムエンジニア(基盤システム)/動画制作(映像編集者)(2026年10月9日確認)。統計は毎年更新されるため、最新の数字は各ページで確認してください。